カテゴリー「書籍・音楽・映画」の28件の記事

伝わる・揺さぶる!文章を書く

0911301_2 伝わる・揺さぶる!文章を書く 山田ズーニー 著 / PHP新書

プロローグ 考えないという傷

第1章 機能する文章を目指す

第2章 7つの要件の思考法

第3章 伝わる・揺さぶる!文章の書き方-実践編

第4章 より効果を出す!テクニック-上級編

第5章 その先の結果へ

エピローグ あなたと私が出会った意味

著者は、長年高校生を対象にした小論文通信教育に携り、その経験を活かして、独立後の現在は講演・執筆活動のほか授業企画・教育ソフトのコンテンツを手がける。自分の頭で考え、他者と関わる痛みと歓びを問いかける、心を揺さぶる表現の技術を、例文を交えながら解説していく。

とても読みやすいのは、やはり筆者に”伝わる・揺さぶる!文章を書く”能力があるからなのでしょう。自分のコミュニケーション能力を再考させられる一冊でした。

特に印象的なのは”お詫びをする”節。

”リーダーの仕事は、決めるとこ決めて、謝るとこ謝る”(本文より)

自分のこれまでの”謝罪”とは、許してもらったらゴールと考える自己満足に終わっていなかっただろうか。創造的に生きるほど、責任の範囲が増えるほど、謝る才能は重要だと言います。

この部分を読み返し、クリエイティブな職に就く者として、是非ともマスターしたいところです。

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まぐれ

0911181 まぐれ-投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか ナシーム・ニコラス・タレブ 著 / 望月 衛 訳 / ダイヤモンド社

第1部 ソロンの戒め 歪み、非対称性、帰納法
第1章 そんなに金持ちなら頭が悪いのはどうしてだ?
第2章 奇妙な会計方法
第3章 歴史を数学的に考える
第4章 たまたま、ナンセンス、理系のインテリ
第5章 不適者生存の法則──進化は偶然にだまされるか?
第6章 歪みと非対称性
第7章 帰納の問題
第2部 タイプの前に座ったサル 生存バイアスとその他のバイアス
第8章 あるいはとなりの億万長者でいっぱいの世界
第9章 卵を焼くより売り買いするほうが簡単
第10章 敗者総取りの法則──日常の非線形性
第11章 偶然と脳──確率をわかるのに不自由
第3部 耳には蝋を偶然という病とともに生きる
第12章 ギャンブラーのゲンかつぎと箱の中のハト
第13章 カルネアデス、ローマへきたる──確率論と懐疑主義
第14章 バッカスがアントニウスを見捨てる
エピローグ ソロンの言うとおり

島岡先生の研究者の仕事術で紹介されていた推薦図書。

目次を見て非常に興味深い内容だったので読み始めたのですが、前評判で”タレブの教養とウィットの効いた非常にトリッキーな本”というだけあって、とにかく読み続けるのに骨が折れました。

私たちはある一定の範囲内の確率論で物事を考えがちですが、時に確率は非常に低いがインパクトの極端に大きな出来事が起きることがあります。これを本書では”黒い白鳥(ブラックスワン)”と呼び、そういったまれな事象(偶然、たまたま)に焦点が当てられているのですが。。。

実際、本書の半分も理解できませんでしたが、後知恵や確率を見るときの”バイアス”などには、我が身を振り返り納得させられました。

また本書で取り上げられた”ブラックスワン”を研究の面からとらえれば、世紀の大発見とは確率としては非常に低く、まれにしか起こらないという点でまさにこれが当てはまるのではないかと思うのです。

しかし、昨今の行政刷新会議による事業仕分けでは、文科省の様々な研究開発プロジェクトが縮小や廃止の対象となるのを見るにつけ、民主党政権の目には統計的に一定範囲内に収まる事象しか映っておらず、ブラックスワンへの投資は全く無視されているのだと感じる今日この頃です。

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疲れた体に宿るのは・・・

人形劇”新・三銃士”も二週目に突入。先週土曜には一週間分をまとめて再放送したりして、NHKもかなり力を入れ、評判も上々の様子。

あえて木目が見えるように作られている人形はそれぞれ特徴があり、実際の表情は変わっていないはずなのに、場面や身振りで笑っていたり悲しんでいるように見える。そういう想像力を働かせて楽しむのが人形劇の醍醐味なのかもしれません。

セットも非常に凝っていて、今後がますます楽しみ。

三銃士のメインテーマである、

”一人はみんなのために、みんなは一人のために”

というフレーズ以外にも、教育番組らしく随所に教訓めいたセリフが出てきます。特に第一話で殺されてしまう主人公の父(声:西田敏行)のセリフは印象的。

瀕死の状態で息子に言い残した言葉とは・・・

”見て見ぬふりはするな。見ないことよりも罪は深い。

歯、磨けよ。。。風邪、ひくなよ。。。

風邪の予防は家に帰ったら手を洗うこと。最低でも30秒だ。長いぞ・・・(ガクッ)。”

後半は三谷幸喜の脚色か、それとも西田敏行のアドリブか。

もう一つ。

主人公が居残って剣の稽古を続けるシーン。父曰く、

”あまり無理をするな。疲れた体に宿るのは、疲れだけだ。”

さてさて、今日はもう寝るとしますか・・・。

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新・三銃士

今週月曜から始まったNHK人形劇、”新・三銃士”を録画して見ています。

三谷幸喜脚色ということで、明らかに大人の視聴者を意識したわざとらしいまでの設定やセリフも見所。

エンディングの平井堅の曲もグッときます。

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生物と無生物のあいだ

0909291_2 生物と無生物のあいだ 福岡伸一 著 / 講談社現代新書

以前読んだ”研究者の仕事術”で紹介されていた推薦図書。

福岡伸一氏の本は読んだことがありましたが、本当に文章がうまくて読みやすく、どんどんその世界に引き込まれてしまいます。サイエンティストとしての豊富な知識に加え、これだけの表現力を備えているというのは本当に能力の高い方なのだと思います。

こういう人が教科書を書けばいいのに。

印象に残った言葉として”研究の質感”というものがあります。

よく発見や発明は、ひらめきやセレンディピティによってもたらされるというが、筆者はこれには与せず、むしろ直感は偏見や思考のバイアスを生み、研究には負に働くと述べています。

一方”研究の質感”とは、実験者が実験台で起こっている現象、リアリティから感じ取る感覚であり、この”研究の質感”が批判を浴びてもへこたれないある研究者を支えていたのだというのです。

直感とも違うこの”質感”という言葉が非常に気に入りました。

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研究者の仕事術

0909101_2 やるべきことが見えてくる-研究者の仕事術-プロフェッショナル根性論 島岡 要 著/ 羊土社

島岡先生(ハーバード大学医学部)のブログで宣伝されていたので、早速購入して読んでみました。

”実験医学”で連載されていた”研究者のためのプロフェッショナル根性論”に加筆・修正が加えられ一冊の本にまとめられたもの。改めて読むと身の引き締まる思いがします。

本書は、筆者が終身雇用前提の臨床医から、研究費が稼げなければ次の年の職が保証されないボストンの基礎医学研究者への転職を決心する過程で学んだキャリア戦略の考え方が、多くのビジネス書をヒントに紹介されています。

”研究者にビジネス書?”と思うかもしれませんが、長所を強化する仕事術(Strengths-based approach)だったり、時間管理術、マイクロマーケティング(自分の世界で一番になる)、プレゼンテーションなど、うまく研究者向けに落とし込んで解説されています。

参考文献や出典も詳しく書かれているので、特に興味を持った部分についてはオリジナルをあたってさらに詳しく知ることができます。

個人的には

”他人の研究を客観的に正しく評価する能力を身につけることで、客観的に他人の視点から自分の研究を見ることができる”

”研究者がプロフェッショナル/エキスパートを目指す過程では、仕事の最大の報酬とは人間的成長である”

あたりが印象に残っています。

また、GDTによるメール管理術については早速実践し、インボックスは常に空の状態を維持しています。

ちなみに本書にも”検索される自分・発信力”としてブログが勧められています。これについては(内容はさておき)、既にやっているし今後も続けていくつもりです。

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阿弥陀堂だより

0908121 阿弥陀堂だより 南木佳士 著 文春文庫

作家としての行き詰まりを感じる主人公、高校の同級生である妻は医師で病院でも重要なポストに就くキャリアウーマン。その激務と流産をきっかけに心の病を患い、主人公の故郷、信州に移り住む。そこで出会った阿弥陀堂を守る96歳の老婆と、その老婆が語る言葉を”阿弥陀堂だより”として発信する難病を抱えた娘とのかかわりを通し、二人は癒され自信を取り戻していく。

山里の美しい描写。およそ一世紀をその豊かな自然の中で静かに暮らしてきた老婆の言葉には、都会の喧騒で暮らす現代人が忘れかけた教訓があり、何を重視して生きていくかを問われているような気がしました。

それに加え、この作品からは夫婦のあり方についても考えさせられました。

”家事の全般を孝夫が担当していたわけだが、これも美智子の配慮から、彼女の下着類の洗濯だけは彼女自身が風呂のついでにやってくれていた。おかれた立場を頭では理解していても、どちらかといえば古い体質の男である孝夫にとってこれはありがたかった。美智子は能力の高いキャリアウーマンでありながら、生活の細部をおろそかにしない女であった。”

という部分に象徴される夫婦関係にあった二人。妻が病を患った際の献身的な主人公の愛と、互いが互いを必要としあう関係。そのあたりの描写が実に心に響きました。

南木佳士の作品は友人に薦められ何冊か読んでいましたが、おそらくこの作品が最も心に残るものになると思います。

ちなみにこの作品は2002年に映画化されていますが、私は原作から感じ取った今の感覚を大切にしていくつもりです。

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終の住処

0908041_2 終の住処 / 磯崎憲一郎 著 新潮社

ご存知第141回芥川賞受賞作。

”疲れた中年男の話”

それ以上でもそれ以下でもないというのが私の感想。

久しく読書を、知識と情報を取得する行為としてきたせいか、文学作品を味わうということができなくなってしまったようです。

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新薬誕生―100万分の1に挑む科学者たち

0907151_2 新薬誕生-100万分の1に挑む科学者たち ロバート・L・シュック著 / 小林力 訳

第1章 エイズと闘う―ノービアカレトラ
第2章 心の病から人生の再出発―セロクエル
第3章 本当に勝った人エインスリン―ヒューマログ
第4章 喘息のつらさを救った薬―アドエア
第5章 奇跡のバイオ医薬品―レミケード
第6章 癌治療の扉を開く―グリベック
第7章 世界一の薬はこうして生まれた―リピトール

それぞれの疾患に対する治療薬としてブレイクスルーとなった7つの薬。その研究・開発過程がインタビューやエピソードを交えドラマチックにえがかれている。各章に関係する製薬会社の歴史も非常に興味深い。

画期的新薬を生み出すにあたり、研究者の目の付け所もさることながら、様々な障壁(予算、抵抗勢力)にも屈せず開発を推し進める強い信念がいずれにも共通していると感じた。

”だれでも中止にできる。早期にやめれば、だれでもスマートに見える。しかし本当にスマートなのは、せっぱ詰まったときにいつまで製品にこだわるかを知っている人だ。”

創薬の難しさを物語るものとして印象に残っているくだりだ。

7つのサクセスストーリーを、”勝てば官軍、モノになれば何とでもいえるさ”と冷めた目で見ればそれまでだが、私はこれを明日への活力としよう。

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ぼくらも、みんなと同じ少年だった。

0906281_2 ぼくらも、みんなと同じ少年だった。 ベースボールマガジン社

妻が製作に関わったということもあり、宣伝もかねて私なりの感想を少し。

内容としては、Yahoo! JAPANが主催するスポーツ応援プロジェクトの一環で、宮﨑大輔(ハンドボール)、鈴木桂治(柔道)、小倉隆史(サッカー)、村田亙(ラグビー)の4人が、小中学生相手に各自のスポーツを通じて一日授業を行った内容をまとめたもの。

4人のトップアスリートたちの授業の中には、大人にとっても心に響く言葉がたくさんあります。

宮﨑選手が、授業中のシュート練習中、恥ずかしがって本気を出さなかった生徒に対して。鈴木選手が、一人ひとりと握手をした際に、目を見なかった生徒に対して言った言葉は、それぞれ私の心に響きましたし、その場にいた生徒も同じように重く受け止めたのではないでしょうか。

同時に、4人の年齢からすると私はちょうど真ん中になりますが、自分のこれまでの経験から導き出した答えやポリシーを子供たちへむけて発信することが、果たして自分にできるのかどうか考えさせられてしまいました。

本の趣旨としては、親が子供に読ませたい本ということらしいですが、まずは親が読み、我が身を振り返ったり、子育てのヒントをもらうのにも良い本だと思います。

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