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世界は分けてもわからない

110181 世界は分けてもわからない 福岡伸一 著 / 講談社現代新書

プロローグ パドヴァ、2002年6月
第1章 ランゲルハンス島、1869年2月
第2章 ヴェネツィア、2002年6月
第3章 相模原、2008年6月
第4章 ES細胞とガン細胞
第5章 トランス・プランテーション
第6章 細胞のなかの墓場
第7章 脳のなかの古い水路
第8章 ニューヨーク州イサカ、1980年1月
第9章 細胞の指紋を求めて
第10章 スペクターの神業
第11章 天空の城に建築学のルールはいらない
第12章 治すすべのない病
エピローグ かすみゆく星座


これまで福岡伸一の作品は二冊ほど読んだことがありますが、外れがないですね。本当におもしろいです。

科学系読み物に分類されるのでしょうが、各章の導入は、絵画であったり写真やジグソーパズルであったり。。。一見科学とは関係ない概念も、読み進めるといつしか科学にも重なる部分がある。

そして各章にちりばめられた概念は、エピローグですべてがつながり、ふっと腑に落ち思わずニヤリとしてしまう。

文章の読みやすさもさることながら、私はこういった構成が好きなのでしょう。

第8章から第12章は1980年代初頭に起きた分子生物学におけるある捏造事件について書かれています。エフレイム・ラッカーと聞いて、その分野の人ならピンと来るのでしょうか。著者の巧みな描写も相まって、その部分は推理小説さながら。

これまで読んだ”動的平衡”、”生物と無生物あいだ”もそうですが、キーワードとなるのは”動的平衡”。

あらゆる生命現象は動的平衡のもとに成り立っている。その一部分を切り取らないことには何も分からないが、切り取ってしまっては全体はわからない。

そんな意味が込められたタイトルだと思うのだが。。。

内容は抜群だが、タイトルだけはもうちょっとピンとくるものが無かったのかと残念に思います。

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書籍・音楽・映画」カテゴリの記事

コメント

久々です。
いろいろ元気に活動しているようで何よりです。
さて本書のタイトルに対して、内容で答えはあるのでしょうか。即ち、どうしたら世界が分かるのか?
そんなことが分かったら、物理から哲学にいたるまでの多様な問題に答えられそうな気がするので、問題提起に終始しているのでしょうか?

コメントありがとう。
残念ながら答えについては述べられていません。ただ問題提起に終始するという無責任な印象も受けません。
鴨川同様、福岡先生も分子生物学者として、その”究極の答え”を探し続けているのでしょう。自分の研究が”世界を分けた”ものにすぎないことを知りながら、それでも前に進み続ければならないというジレンマ。一方で、その限界を認めつつ、自然の摂理に対する敬意のようなものを、私は感じ取りました。

なるほどそうですか。
まあそうですよな。
皆、想いある人はもがき苦しむのでしょう。
木の枝葉を描きつつ、森をも俯瞰する様な研究をするというのは、目標ですがなかなか難しいものです。
ご説明ありがとう。

この記事へのコメントは終了しました。

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