老ケミストの独白(毒吐く?)
一時私の上司で、今年3月まで子会社の社長、現在は会社の顧問となっている、自称老メディシナルケミストによる講演があった。
”これから話すのは私の独り言”と始まった講演。物静かな語り口調ながら、メッセージ性の高い提言や時折織り交ぜられるユーモア(高尚なダジャレや言い回し)に、昼飯後という魔の時間帯にもかかわらずあらゆる部署の聴衆が熱心に耳を傾けていた。
製薬会社の研究員として生涯に一つ薬を出せれば幸せという世界で、数多くの開発候補品を手がけ、最終的に三つもの薬を世に出した実績から、その言葉はおのずと説得力を増す。
”創薬はしばしば、前人未到、世界最高峰への挑戦という登山に例えられるが、私に言わせれば井戸脱出ゲーム。井戸に投げ込まれ、上からふたをされる。生爪がはがれ、血まみれ、泥まみれになりながら這い上がるも、時には上から石を投げ込まれ、下からは足を引っ張られ、満身創痍になりながら出口を目指すのだ”と。
演者の成功体験の裏にあるそれ以上の”障害、軋轢、挫折”をうかがわせる。
メディシナルケミスト=”創薬化学者”と一般には訳されるが、
演者曰く、
メディシナルケミスト=”芽出シ成ル気密人”なのだとか。
芽、すなわち開発候補品を出しそうな気配が濃厚な人、そういった人材を常に数多く確保することが製薬会社には必要不可欠だという。
元気と勇気をいただいた貴重な一時間であった。
よし、また明日から頑張ろう!
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